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  • ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

  • 2023/12/11 0:00 公開  編集部
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニーは、6カ国(日本・アメリカ・イギリス・オーストラリア・中国・フィンランド)における20~60 代の3,000人を対象にした「人生100年時代 × デジタル社会の総合的なヘルスリテラシー国際調査」を実施しました。

    「人生100年時代」を迎えた現代社会では、健康・医療の重要度がこれまで以上に増すだけでなく、デジタル化がますます促進されます。情報を正しく判断し、適切な選択や行動をして、デジタルテクノロジーを含めたさまざまなリソースをうまく活用していく「力」が大切になってきます。

    本調査では、今の日本において、これらの「力」がどれほど備わっているかを明らかにするためのもので、調査の結果、日本の生活者のヘルスリテラシー自己評価は、6カ国中最も低い5.4点でした。また、医療・健康に関する「情報の収集・判断」、「行動」、「デジタル活用」、「コミュニケーション」全般において、他国より低い傾向が明らかになりました。

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

    【調査概要】調査対象国・サンプル数:6カ国20代~60代3,000名 [日本(東京、大阪)、アメリカ(ニューヨーク、ロサンゼルス)、イギリス(ロンドン、マンチェスター)、オーストラリア(シドニー、メルボルン、ブリスベン)、中国(北京、上海)、フィンランド(ウーシマー、ピルカンマー、南西スオミ)各国500名] 。調査期間:2023年10月26日~2023年11月7日。調査方法:インターネット調査。調査機関:電通マクロミルインサイト。調査主体:ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニー。※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しています。合計が100%にならない場合があります。

     

    【情報収集・判断】

    へルスリテラシー自己評価で、日本は6カ国中最も低い5.4点(10点満点)

    調査対象者のヘルスリテラシー(健康情報を入手し、理解し、評価し、活用するための知識、意欲、能力)の自己評価について、日本は10点満点中平均5.4点と6カ国中で最も低いスコアとなりました。また、健康や病気の症状・治療法に関する情報を「判断できるか」尋ねたところ、「できる(できる+少しはできる計)」と回答した人の割合が、日本以外の5カ国は7~9割であったのに対し、日本は6割以下となっています。「収集できるか」についても、日本が6カ国中最も低い結果となっています。

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低
    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

     

    医療情報が正しいか誤っているかの判断基準がわからないと考える日本の生活者は3割以上

    医療に関する情報で困っていることとして、全ての国で「いろいろな意見があり判断しづらい」が最多(約4~5割)でした。また、「正しい情報か間違った情報か判断基準がわからない」と回答した人は、他国では約1~2割だったのに対し、日本は約3割でした。

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

     

    「健康」の定義を「肉体的、精神的、社会的に満たされた状態」と考えている人が他国より少ない日本

    世界保健機関(WHO)は、健康を「病気ではないとか、弱っていないということではなく、 肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされた状態であること」と定義していますが、この認識を持つ回答者は日本が最も少なく、 25.2%でした。一方で、日本は「 寿命を延ばしたい」人は最も少なかった( 19.4%)ものの、各国とも「 健康寿命を延ばしたい」人は半数を超え(日本: 51.2%)、両者の差が最も大きかったのは日本という結果でした。なお、健康寿命については、「自国の健康寿命の平均年齢を知っている」、「平均寿命と健康寿命のギャップをなくすことが大切な理由:社会の生産性向上に貢献できる」で「知っている」割合は日本が最下位で約 2割でした。

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

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    【行動】

    「適切な医療受診」や「受診時の症状説明」が「できる」 日本は6カ国中最下位

    「不調や違和感が生じた時に、その症状に応じて、適切なタイミングで適切な医療施設・診療科を受診すること(=適切な医療受診)」や「医師に自分の症状を正確に伝えること」ができるか、という問いに対して、「できる(できる+少しはできる計)」と回答した割合は、日本以外の5カ国はいずれも9割前後であったのに対し、日本は7割前後にとどまりました。また、日本人の死因上位にあがる三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)の予兆を感じた時の適切な行動に関して、日本は他の5カ国と比較して「適切な行動がとれる」と回答した割合が低く、健康診断・がん検診で再検査が必要になった時に「適切な行動がとれる」 と回答した割合も6カ国中で最下位という結果でした。 

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

     

    「すぐに相談できる医療機関(医療関係者を含む)がある」 日本の生活者は約半数

    不調や違和感が生じた時に、すぐに相談できる医療機関(医療関係者を含む)があるかを尋ねた結果、日本は53.8%で6カ国中、最も低い割合でした。最も割合が高かったのはアメリカ(88.0%)で、その他イギリス・オーストラリア・中国・フィンランドも約7~8割でした。「原因がはっきりしない不調を感じた時に、どのような行動をとりますか?」という問いに対しては、日本は「様子をみる」(63.0%)、「ウェブサイトで調べる」(58.4%)が最も多い結果でしたが、「医療機関を受診する」と答えた方にその理由を尋ねると、「自己判断せずに、医師(専門家)が判断すべきだと思うから」を選択した割合が6カ国中最も高く71.4%でした。

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

     

    慢性的な痛みや苦痛を感じても「我慢できる」と考える日本の生活者は約6

    日常生活で慢性的な痛みや苦痛を感じながら我慢をしている人の割合は、フィンランドが最も多く55.9%、日本は32.3%でした。我慢をしている理由を尋ねたところ、「我慢できるくらいの痛み・苦痛だから」と回答した割合は日本が最も多く60.4%に及びました。

     

    【デジタル活用】

    健康管理にデジタルツールを活用している割合が日本は最も低いスコア。最も高い中国は8割以上 医療におけるデジタル活用を望ましいと思う人は日本 約4

    近年、スマートウォッチ、活動量計、スマートフォンの健康管理アプリなどのデジタルツールを活用し、健康管理がしやすくなっていますが、調査でデジタルツールを使って健康状態を把握しているかを聞いたところ、日本は6カ国中で最下位の39.2%となりました。使用している人は、「手軽に健康状態を把握できる」ことを理由として最も多く挙げていました。さらに、「医療(診察・診断・治療等)におけるデジタル化」について、「デジタル化やデータ活用が進むことは望ましい」と回答した人は、日本においては約4割でした(日本:42.0%、アメリカ:32.6%、イギリス:35.6%、オーストラリア:33.8%、中国:53.4%、フィンランド:56.4%)。

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

     

    健康管理のデジタル活用意識はフィンランドが高い傾向 病気の早期発見・治療、健康管理、より適切な受診に各国で期待

    日常生活の健康管理において、デジタル化やデータ活用が広がることで期待できることを尋ねたところ、「病気の早期発見・早期治療」、「自分の健康管理」、「より適切な治療が受けられる」の項目の回答割合が全体的に高く、日本は多くの項目で回答割合が他5カ国を下回っています。他国では回答割合が約2~5割と幅はあるものの、「治療精度の向上」や「自分の情報を医療者に伝えやすくなる」、「国の医療費の最適化につながる」といった期待が持たれていることも明らかになっています。

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

     

    【コミュニケーション】

    受診時に医療関係者と対話*ができているという自信のある日本の生活者は4割以下

    「受診の際に医療関係者(医師、看護師、薬剤師など)と対話*ができるか」を尋ねたところ、「できる」と回答した割合は、日本は4割以下にとどまり最も低い結果となりました。他5カ国はいずれも5割以上となり、アメリカは約7割が「できる」と回答しています。「医療機関で受診する際、医師とのコミュニケーション」において自身に当てはまるものについては、「医師と話す前に、医師と話すことや質問したいことを整理している」では、日本・中国は5割以下にとどまっています。また、医師との会話において、日本は「医師と話すとき、緊張しないで話すことができる」(32.8%)、「治療中や治療後の日常生活のQOLも踏まえて治療について自分の意志を伝えることができる」(10.2%)「診察時に、自分の思いや価値観について話し合っている」(4.2%)のいずれの項目においても6カ国中最下位という結果でした。

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

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    治療方針の決定における、主体的関与の意識が6カ国中最も低い日本

    治療法を検討する際の主体的関与に対する意識を尋ねたところ、「主体的に関与できる(できる+少しはできる計)」「主体的に関与したい(そう思う+ややそう思う計)」のいずれにおいても、日本は6カ国中最も低く、7割以下となりました。また、「治療方針の決定に主体的に関与できるようになるために必要なこと」について尋ねた結果も、日本は他国との意識差が見られました。 

    ジョンソン・エンド・ジョンソンが調査、日本のヘルスリテラシー自己評価は6カ国の中で最低

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