タキイ種苗株式会社(所在地:京都市下京区、代表取締役社長:瀧井傳一)は、2021年の年末を前に、310人の男女を対象に「野菜」に関する調査を実施いたしました。今年で7回目となる本調査では、今年ならではの「野菜」の世相を明らかにしました。「2021年の野菜の総括」として、ご報告いたします。
調査結果TOPICS!
■ 2021年も人気継続 !「たまねぎ」「キャベツ」は「よく食べた野菜」と「高くても買う野菜」でトップ2 「もやし」「ネギ」が人気上昇中!「よく食べた野菜」で、「にんじん」と並び3位に
「食べる機会が多かった野菜」では、「たまねぎ」と「キャベツ」が3年連続でそれぞれ1位、2位を独占しています。「もやし」は「購入量が増えた野菜」で2年連続の1位となり、長引くコロナ禍にあったこの2年間、安定して低価格で購入することができる「もやし」が食卓に並ぶ機会が増えています。
■ 緊急事態宣言の解除により「外食」が微増の一方で、「自炊」「テイクアウト・出前」が習慣化
10月1日の緊急事態宣言解除後、「外食」が「増えた」人は15.2%である一方、「自炊」は30.3%、「テイクアウト・出前」は19.7%が「増えた」としており、いまだ自粛生活での食習慣が根付いているようです。
■ 緊急事態宣言解除後に「運動をする機会が増えた人」の3割以上が「自宅での野菜摂取量」も増加
緊急事態宣言解除後に「自宅での野菜摂取量が増えた人」は全体では11.6%であったのに対し、「緊急事態宣言後に運動の機会が増えた人」では33.3%となり、食事と運動の両面で健康意識が高まっていることがうかがえます。
■ 最も野菜摂取を求める食事スタイルは、自宅で調理する「内食」時
自宅で素材から調理した食事をとる「内食」の際に野菜摂取を求める人は80.0%で、「外食」では54.2%で約半数、「中食」では60.0%ということがわかりました。
■ 約1割が「リボーンベジタブル」実践中!3割が「フレキシタリアンに興味あり」
野菜にまつわる最新トピックスについて聞いたところ、約1割が「リボーンベジタブル」(9.0%)を実践、「フレキシタリアン」を実践または関心がある人は29.7%と3割に上り、野菜を巡る新たなトレンドとなる可能性がうかがえます。
【タキイ種苗 野菜に関するアンケート調査】
◆調査期間:2021年11月9日(火)~11日(木)
◆調査方法:インターネット調査
◆調査対象者:全国の20~60代の男女
◆有効回答数:310サンプル
※グラフはすべて%。本リリース上のスコアの構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合もあります。
2021年によく食べた「野菜」
➀ 今年食べる機会が多かったのは「たまねぎ」で3年連続1位!「もやし」「ネギ」が躍進!
「2021年に食べる機会が多かった野菜」は、「たまねぎ」(54.5%)が3年連続の1位、「キャベツ」(52.9%)も3年連続で2位となり、トップ2の安定的な人気が明らかになりました。
一方、今年の「好きな野菜(※1)」では1位となり、本ランキングでは2017年から2020年まで4年連続で3位の座を守ってきた「トマト」が今年はトップ5入りを逃しています。代わって3種の野菜が同率(41.9%)で3位となり、「もやし」が2年ぶりにランクイン、「にんじん」は昨年より1ランクアップとなったほか、「ネギ」は5年間で初めてのトップ5入りを果たしました。コロナ禍により安定的に安価で購入できる「もやし」の活用が進むのと同時に、食卓に並ぶ野菜に変化が見られ、「ネギ」を取り入れた家庭が増えたことが考えられます[図1]。
(※1) 参照:
「2021年度 野菜と家庭菜園に関する調査」 URL
(※2) 参照:
「2017年の野菜の総括」 URL
「2018年の野菜の総括」 URL
「2019年の野菜の総括」 URL
「2020年の野菜の総括」 URL
2021年の「野菜の値段と購入意向」
➀ 長引くコロナ禍の2021年、全体で68.1%、子育て世帯は76.1%が野菜価格高騰を実感
長引くコロナ禍にあった2021年、日常生活で身近な野菜の価格はどのように受け止められていたのでしょうか。価格高騰実感は68.1%で約7割となったものの、昨年より減少しています。[図2]。一方、子どもと同居している人に絞ってみると、価格高騰実感は76.1%と全体より8.0ポイント高いことがわかりました。子どもがいる家庭では用意する食事の量が多くなることから、価格の負担を感じやすいことが原因として考えられます [図3]。
② 価格高騰実感の1位は「レタス」。人気の「キャベツ」も4人に1人が実感
「例年に比べて高い」と感じられていた野菜は、「レタス」(27.1%)、「キャベツ」(24.5%)、「きゅうり」(24.2%)、「白菜」(24.2%)、「トマト」(20.6%)がトップ5となりました。2位「キャベツ」は「食べる機会が多かった野菜」でも2位に、5位「トマト」は今年の「好きな野菜」ランキングで1位となっており、食卓の定番や人気の野菜は価格高騰を実感しやすいともいえます。トップ5の野菜は昨年同様の顔ぶれとなりましたが、割合は全体的に下がる結果となりました[図4]。
③ 家庭の常備野菜!「値段が高くても買う野菜」でも、「たまねぎ」「キャベツ」がトップ2
「値段が高くても買う野菜」は、1位「たまねぎ」(25.5%)、2位「キャベツ」(22.3%)で、「食べる機会が多かった野菜」ランキングのトップ2と同じ結果となりました。3位は「にんじん」(17.7%)、4位は「じゃがいも」(16.8%)の根菜類が入り、5位には今年の「好きな野菜」ランキングで1位の「トマト」(16.1%)がランクインしています。常備野菜として、たとえ価格が上がっても購入されており、安定の人気がうかがえます [図5]。
④ 手軽なアレンジで取り入れやすい!「もやし」が「購入量UP」野菜で2年連続の1位!
「例年に比べ購入量が増えた野菜」は、昨年から引き続き「もやし」(13.5%)が1位となりました。「食べる機会が多かった野菜」でも3位にランクインしており、安定的に低価格で入手可能な「もやし」は、食卓に登場する機会が着実に増えているようです。トップ5には本調査内の他のランキングでも上位の野菜がそろう中、3位に「小松菜」(7.4%)がランクイン。カルシウム、鉄分、ビタミンなど豊富な栄養素を持ち、アクが少なくあまり手間をかけずに料理に使えることなど、自炊に取り入れやすいことも要因として考えられます。日持ちする「キャベツ」「たまねぎ」「にんじん」と、手軽に取り入れやすい「もやし」「小松菜」。長引くコロナ禍の食卓で活躍する野菜の特徴を感じられる結果となりました[図6]。
⑤ 価格高騰の際は、約半数が野菜購入のため「スーパーで見て安いものを買う」 30代は「まとめ買い」、60代は「直売所」利用が多く、女性は野菜摂取意識が高い
「野菜の価格が高騰した際に創意工夫していること」は、昨年に続き「スーパーで見て安いものを買っている」(49.0%)が1位となり、昨年より野菜の価格高騰を実感している割合が少ない状況でも、約半数の人は買い物時に安く買うための工夫をしていることがわかりました。
1~3位に順位の変動がない中、4位「冷凍野菜を使っている」(29.4%)は一つ順位を上げています。代わりに順位を下げたのは5位「安くなったタイミングでまとめ買いしている」(24.2%)で昨年から5.8ポイント減少しており、緊急事態宣言解除の影響を受け、まとめ買いへの意識が薄れていることが要因として考えられます。
「特にしていない」(全体:18.4%、男性:27.7%、女性:9.0%)を除くと、81.6%もの人が価格高騰時にも創意工夫をして野菜を購入しています。特に女性は91.0%の人が何かしらの工夫をしており、野菜摂取への意識の高さが見られます。
特に男女差が顕著だった項目は、3位「料理に必要な最低限の野菜のみ買っている」(全体:30.6%、男性:20.0%、女性:41.3%)でその差は21.3ポイントにも上り、男性の倍以上の割合で、女性は料理に使う必要最低限の野菜を購入する工夫を行っています。節約効果とフードロス削減への貢献度の高さが感じられる結果となりました。
年代別に見ると工夫の方法にも特徴が表れ、「安くなったタイミングでまとめ買いしている」(全体:24.2%、30代:32.3%)は30代が全体より8.1ポイント高く、「道の駅など直売所を利用している」(全体:14.2%、60代:22.6%)は60代が全体より8.4ポイント高いなど全年代の中で突出しており、創意工夫の方法に違いがあることがわかります [図7]。
緊急事態宣言後の生活変化
一年を通して新型コロナウイルス感染防止対策が求められてきた2021年。10月1日に全ての都道府県で緊急事態宣言が解除されたことにより起こった生活変化について聞きました。
《緊急事態宣言の解除後》食事方法の変化について
➀ 外食「増えた」15.2%も、「変わらない」「減った」は共に約4割。
緊急事態宣言の解除は、人々の「外食の頻度」にどの程度の影響があったのでしょうか。「増えた」(「とても増えた」「やや増えた」合計)が15.2%にとどまる一方、「変わらない」(43.5%)、「減った」(「とても減った」「やや減った」合計:41.3%)は共に4割を超えており、緊急事態宣言解除後も、多くの人はいまだ外食を控えるスタンスを変化させていないようです [図8]。
② 緊急事態宣言解除後も続く「自炊の習慣」
外食を控える人が多い中、「自炊の頻度」については「変わらない」(66.5%)が最も多く、「増えた」(「とても増えた」「やや増えた」合計:30.3%)人が3割を超え、「減った」(「とても減った」「やや減った」合計:3.2%)人はほとんどいないことがわかりました。緊急事態宣言解除後も自粛期間中の自炊習慣が根付いている様子がうかがえます[図9]。
③ 「テイクアウト・出前」が増えた人は約2割。コロナ禍で食生活の変化が継続か
外食控えと自炊習慣を多くの人が続けている中、「テイクアウト、出前での食事の頻度」については、「増えた」(「とても増えた」「やや増えた」合計: 19.7 %)は約 2 割、「変わらない」 (65.8 % ) は約 7 割となり、コロナ禍で定着したテイクアウトやデリバリーの習慣が続いているといえそうです。全体を通して、自粛生活で定着した新習慣が継続しているという結果になりました。 [図10]。
《緊急事態宣言の発出・解除時》野菜を巡る意識・行動の変化
①緊急事態宣言が明けても「自宅での野菜の摂取量が変わらない」人は全体の83.5%、「運動をする機会が増えた」人では 33.3%が「自宅での野菜の摂取量が増えた」
一方、2021年10月1日に緊急事態宣言が全国で解除されたことにより、自宅での野菜摂取量にはどのような影響があるのでしょうか。「自宅での野菜摂取量」が「変わらない」と回答した人は、全体の83.5%で、宣言解除後でも現時点では傾向は変わらないようです。「緊急事態宣言解除後に自炊の頻度が増えた人」「緊急事態宣言解除後に運動の機会が増えた人」の変化を見ると、それぞれ25.5%、33.3%(「とても増えた」「やや増えた」合計)の割合で「自宅での野菜摂取量が増えた」と回答していることがわかりました[図11]。
② 最も野菜摂取を求める食事スタイルは、自宅で調理する「内食」時
外食、内食、中食(※3)それぞれの形式で食事をする際、野菜摂取はどの程度求められているのでしょうか。「外食」では、全体が54.2%で約半数、「内食」では80.0%、「中食」では60.0%ということがわかりました。多くの人が「内食」時に野菜摂取を求めていることがうかがえます[図12]。
また、緊急事態宣言解除後に「自炊の頻度が増加した」人では87.2%と全体よりも多くの人が「内食」時に野菜摂取を求めていることがわかります[図13]。同様に緊急事態宣言解除後に「外食の頻度が増加した」人も66.0%が「外食」に野菜摂取を求めており、全体よりも高い割合となっています[図14]。頻度の増加した食事スタイルに、より強く野菜摂取を求めているということがわかりました。
(※3)
「外食」:レストランや食堂等、家以外の場所で食事をとること
「内食」:家で素材から調理した食事をとること
「中食」:総菜や弁当などを買って帰り、家で食事をとること。またテイクアウトや出前などを利用し、家で食事をとること
最新!野菜にまつわるトピックス調査
◆ 約1割が「リボーンベジタブル」実践中。3割が「フレキシタリアンに興味あり」!
野菜にまつわるライフスタイルにも多くの変化が表れる中、《完全食・代替食・リボーンベジタブル・ビーガン・ベジタリアン・フレキシタリアン》の六つの最新トピックス(※4)について聞いたところ、いずれかを「取り入れている、もしくは関心がある」人は60.6%となりました[図15]。
最も取り入れられているのは「リボーンベジタブル」(9.0%)で、約1割が取り入れています。SDGsの達成に向けて個人の取り組みも重要になっている中、既に一部の人は食品ロス削減のためにアクションを起こしていることがわかります。また、現在注目されている「完全食」「代替食」は、4割以上の人が「取り入れている、もしくは関心がある」ことがわかりました。
「ビーガン」「ベジタリアン」「フレキシタリアン」については、制限が緩やかになるにつれ関心度が高まっていく傾向が見られます。中でも「フレキシタリアン」は既に4.8%が取り入れており、24.8%と4人に1人が関心を示すなど、食にまつわる新たなライフスタイルに前向きな人が今後も増加することが予感される結果となりました[図16]。
(※4)
「野菜にまつわる六つのトピックス」
「完全食」:人間が活動するために必要な栄養素を全て含んだ食品
「代替食」:味や見た目を模して、別の食材を用いて作った加工食品(大豆ミートなど)
「リボーンベジタブル」:にんじん、大根などのヘタや青ネギ・豆苗などの根を水に漬けて栽培し、再生させること
「ビーガン」:完全菜食主義のこと。肉や魚をはじめ、卵やバターなどの動物性食品も口にしない人のこと
「ベジタリアン」:菜食主義のこと。肉や魚などは食べないが、卵やバターなどの動物性食品は口にする人のこと
「フレキシタリアン」:基本的には植物性食品を中心に食べるが、時には肉や魚も食べるという柔軟なベジタリアンのこと
担当者コメント(タキイ種苗 広報出版部 桐野直樹)
今年の調査では、緊急事態宣言解除後に「自宅での野菜摂取量が増えた人」は全体では11.6%であったのに対し、「緊急事態宣言後に運動の機会が増えた人」では33.3%となり、食事と運動の両面で健康意識が高まっていることがうかがえました。一方、厚生労働省が推進する「健康日本21」では、成人1日当たり野菜350g以上の摂取が推奨されていますが、平成22年(2010年)~令和元年(2019年)の「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)では平均約60g不足しています。タキイ種苗株式会社は、カゴメ株式会社「野菜をとろうキャンペーン」※1の一環として発足された「野菜摂取推進プロジェクト」に参加し、野菜摂取向上を応援しています。
※1 ■「野菜をとろうキャンペーン」について
2020年1月からカゴメ株式会社が実施している、日本の野菜摂取の推進を目的としたキャンペーン『野菜をとろう あと60g』をスローガンとして、従来の摂取方法にはとらわれない、前向きで楽しい野菜摂取方法を提案しております。
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